2012年凱旋門賞、終わる
直線向いたところですごい手応え、周りを見回しても同等の勢いで伸びてくる馬は見当たらず、この舞台でありながらその残り500m程度の地点で「勝った」と思いました。しかし、まさか後方から伸びてくる馬ではなく、その時先頭に居た馬が相手だったとは…。勝ったのが3歳馬ならば糞レース呼ばわりも出来ますが、4歳馬ではそうもいきません。完敗です。
1 SOLEMIA (IRE) 牝4 58 O.ペリエ 02:37.7 2 ORFEVRE (JPN) 牡4 59.5 C.スミヨン クビ 3 MASTERSTROKE (USA) 牡3 56 M.バルザローナ 7 4 HAYA LANDA (FR) 牝4 58 F.ブロンデル 1 5 YELLOW AND GREEN (GB) 牝3 54.5 T.テュリエ 1/2
千載一遇
きっちり同舞台を経験させつつ一叩きし、レース補助のために一頭用意し、そして凱旋門賞勝利の経験者に導かせる。今までの遠征でしばしば足りなかった部分をぬかりなく押さえ、最高の舞台が整っていました。
そして、どの路線からも王者が参戦してこない、稀にみる微妙なメンバーの凱旋門賞。過去、モンジュー・ワークフォースと3歳のダービー馬に阻まれて来たのに対し、結果としてはなんだかよくわからんのが掲示板にごろごろ。ここで取りこぼしてしまったのはとても残念です。
クビ差
この着差の言い訳、たらればの要素はいくつもあります。インベタを回ったペリエの馬に対して大外をずっと回ったとか、内に入れる必要がある都合でほぼ最後方になったとか、直線で最内までヨレたので距離をロスしているとか。
しかし一番の原因は最後の失速。最初は、サンデーサイレンス特有の「欧州だと最後タレる(あるいは使える脚が短いので結果として早い)」という特性から、ステイゴールド産駒でさえも逃れられないのか…と思いました、しかし見返すと、斜行しながら内ラチに到達し、右ナナメに走れなくなったところでフォームを保てなくなってしまったように見えます。ステイゴールド産駒、最後まで自分との闘いなのでしょうか。
騎手
スタート直後、あっというまに他馬の内に入れたのは見事でした。直線の加速もさすがスミヨンといったところ。逆に、直線でまっすぐ走らせるのはこの人下手そうなので、そこはマイナスに働いてしまったところもあるのかもしれません。最後はラチにぶつかったんじゃないかと思うほど突っ込んでいただけに、悔やまれます。結果論だけでいえば、追う力のある人よりも、まっすぐ走らせられる池添の方がよかったんじゃないか、という…。
騎手をころころ変えると、敗因や改善方向がわかりづらくなってしまうのが難点だと、改めて感じました。
総括
世界的にレースの価値を見たときに、ドバイやBCクラシック、英国ダービーやキングジョージなどと比べて、凱旋門賞のレベルが特別高いかどうかはわかりません。それでも、ダビスタで育った世代にとっては特別な存在です。理由は、そう刷り込まれたので…としか言いようがないですが。
日本の馬、古馬中距離GIを勝てるクラスの、適性のある馬を連れて行けば勝負になることはわかっています。あとは数をこなしていれば、いつか手薄なメンバーのときにチャンスが巡ってくるのでしょう。今までだいたい5年に1回程度の割合でいい勝負をしてきていますが、ノウハウの蓄積が進んで、3〜4年に1回くらいは楽しめるようになるといいなあと思います。