2013年末の技術系同人誌制作環境

いまだに2年半前のWord・TeX比較記事にぽつりぽつりとアクセスがあります。大きく状況が変わるわけではありませんが、2年経っての追記です。

Wordはやっぱりもうダメかもしれない

Microsoft Wordには、アンドゥが出来なくなる有名なバグがあります。

閉じて開き直すと復活することもあれば、ないときもあり。仕事で使っていて、たいしてデザインが重要でないときには、新規作成したファイルに全文コピペすると復活することもあります。しかし、デザインを色々と弄った場合にはそれは難しいです。
このバグ、どうも見出しや余白等のデザインに凝るほど発生率が上がるようで、Word熟練度が上がるほどWordは使いづらくなっていきました。さらにもっと上位の、「セーブ操作をしたけれどセーブに失敗している」というやつにも遭遇。こっちは致命傷になりかねません。

ぐぐるIEのキャッシュ保存場所を変更する対処方法が出てきますが、これに出会って以来、消えたらこまる用途に使うのはやめたので、本当に解決できるのかはわかりません。発生しているのに気付けば対処できるのかもしれませんが、気づかずセーブしたつもりで閉じて、次に開くときにようやく事件に気づくわけで…

OpenOfficeLibreOffice

大体製品として最初に出てくるのがOpenOffice…でしたが、これももうダメです。急にイマイチ感が増してきたなーと思ったら、どうも開発コミュニティがLibreOfficeに移行した模様。

010年9月28日、OpenOffice.orgプロジェクトの主要メンバーはThe Document Foundationという新しいグループを結成し、OpenOffice.org の次期バージョン3.3を独自に開発することを構想した。
(中略)
ブランドの寄贈は実現しなかったため正式にLibreOfficeとして開発が行われることになった。

ここ一年の同人誌は、LibreOfficeで編集しています。ファイルのWordとの互換性は、レイアウトを気にするレベルで考えると、「ない」と書くのが正解と思われます。

LibreOfficeの良いところ
  • アンドゥ・リドゥが安定している
  • フォント埋め込みPDFが簡単に出力できる
LibreOfficeの悪いところ
  • 図がろくに使えない

MS Officeでは○や□などかなりの基本図形・線を使えますが、そういう機能はありません。

  • 表がへぼい

MS Officeで使えるデザインと比べると、非常に貧弱です。

  • ページ間の余白非表示機能がない

Wordユーザーでない場合には伝わりづらいかも。Wordで非常に便利な、あの機能がありません。
余白の表示/非表示を切り替えるには

  • 目次(索引)がいまいち

用意されている目次、細かい調整が上手くいかず、結局目次のない同人誌になりました。
厚い本になったら、これではまずいなあ…

さらなる代替手段を考える

Excel

半ば冗談ですが。図表番号(図1など)の参照が出来ないのが辛そうです。
「図1」のような図表番号の「1」の部分に1セル割り当てて、全ての図番号は「=前の番号+1」で…とか考えたけど、手動で図番号自体を編集しないといけないのは難しそうです。テキストの途中に数式をすらっと記述することは出来ないので、参照する場合はconcatenate関数を組み合わせる…等々、ちょっと考えるだけでも頭痛がします。

総括

ここまで色々と癖があると、どれもソフト単体で完結できそうにありません。次に同人誌を作る機会があれば、以下の選択肢から考えます。

  1. LibreOfficeで編集し、ほぼ完成状態からWordで(アンドゥ不可に耐えつつ)最終整形
  2. 表と目次を諦めてLibreOfficeで完結させる
  3. 装飾要素を捨ててTeXに帰る
  4. 新たな道を模索する

どうしたものか。