スプラトゥーンのどこが優れているのか、今更振り返っておく

残念ながらスプラトゥーン2までにSwitch本体を入手できず、このままスプラトゥーンとはお別れになりそうです。サービスイン時を逃したらオンゲは面白くないですからね。そんなタイミングで、スプラトゥーンについて書き忘れたことを残しておこうと。

ご存知の通り、スプラトゥーンは、旧来FPS/TPSプレイヤー以外に強烈にリーチした、革命的TPSです。用語や見た目を一新したとか、キルカメラで倒した人の名前を出さないとか、表現上の改良はもういくらでも語りつくされています。芋砂(引きこもるスナイパー)封じもだいぶ頑張っているし、やはり語りつくされていそうなのでこれもここではいいや。

そこそこにゲーマー歴のある人間として最も感心したところは、「前線の可視化」です。次点は試合が短時間で回転が早い=(一定時間内の)試合数が多くなることですが、これは「大数の法則に従い勝率の偏りが減る効果がある」と一文で説明が終わるのでここまで。パッチノートが詳細に出るとか、マップの修正が必要に応じて入るとかも良い所ですが、これは国産の他のゲームが弱いだけで、本来対戦ゲームやるならちゃんとやって欲しいところです。本稿では割愛。

本題:前線の可視化とは…

スプラトゥーンをカジュアルゲーマーに浸透させた最大の功労者がこれ。
FPS/TPSにおいて、初心者や上手くならない人がどう殺されるかというと、真正面でバッタリ出会うというよりは、かなりの割合で先に or 正面以外から撃たれて負けるんです。技術より前に戦術で殺されている。塗りという可視化サポートなしに前線を把握するには本来、味方の位置・敵の推定位置・ルールに従った地形や施設の把握をリアルタイムに脳内で行う必要があります。ふつうレベルの人間の視界・注意力というのは、とても限定的なのです…!さらに、かなり経験を積んでだめな人も一定割合いるのだと思います。
地面が塗られることにより、突出して殺されるケースと、引きこもりすぎて役に立たないケースがかなり解消されます。どうしても前線に立ちたくなくて後ろ塗ってる人も出ますが、塗りつくしてもずっと引きこもっている理由はありません。前線を自ら押し上げる=塗るときには、それが相手から見えている・違う色の部分には敵が潜んでいるかもしれないという注意力が働きやすくなります。安全だと思ってフラフラしているときに瞬殺されることが減るわけです。味方色に塗られていれば、そこに敵が潜んでいる可能性はなく、注意すべき範囲が減ります。一方、上級者が脳内で把握・管理する情報を増やすことで力差が現れる余地が十分あるのが素晴らしい(けど本題とはずれるのでその話は略)。

スプラトゥーンのナワバリシステムは、人間が高度な判断をすべき点をかなり狭めることで、本来FPS/TPSに必要な力を持ち合わせていない人間にも楽しめるようになっているのです。ここがスプラトゥーン最大のキモで、単にキャラクター等の見た目をゆるくしたFPS/TPSをどこかが真似したところで、同等にカジュアルなものは出来ないだろう、というのが結論でした。過去のゲーム全部調べたわけではないけど、受け入れられるシステムを作った上で、ブランドと見た目でカジュアル層に届くようにしたのが、スプラトゥーンという新規性のある商品の全容、かなと。